2007年07月11日

「千円札は拾うな。」 安田佳生

千円札は拾うな。


ちょっと出遅れましたがやっと読みました。
タイトルの意味は、「千円札を拾うと目線が下がり、ほかのものが
見えなくなるから」だから拾うな、ということだそうです。


このタイトルからして、ちょっとしたショックを受けたのですが、
表紙を開いてみると、今度は
「常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう」
というアインシュタインの言葉。


さらに本文を読んでみると、かなり目から鱗が落ちました。


この本では、「捨てる」ということを強調しています。


成長とは変化すること。

変化するとは、何かを捨てること。

成長とは積み上げることではなく、古いものを捨て、新しい方法を生み出すこと。



そして、そのためには「常識外」という、常識と非常識の間にある、
未知の可能性に目を向けることが大事だと言っています。


今までの人生で手に入れたものを捨てるのには、勇気が要ります。
それが、苦労して手に入れたものならなおさら。


しかし、時と場合によっては、それにしがみつくことが成長を阻んでいる
可能性もあるのです。
そして、視野を狭く持っていると、それに気づかない。


私は、捨てるべきなのにしがみついている何かはないだろうか?
としばし自問・・・


さらには。
この変化の激しい時代において、勤勉の反対は怠惰ではなく不変


ただ今までどおり、がむしゃらに頑張るだけでは給料は増えない。
頭を使い、効率のよいやり方を考えて成果を上げ、自由な時間を作り出す。
これが、勤勉ということ。


ほかにも、「ほおおーー!」と感嘆してしまう言葉の数々。
とても全部は挙げ切れませんが、根底に流れている

「人生を快適に楽しく生きる」

というポリシーがあって、それを実現するためにはこうすればいいのだ、
というつながりに納得させられました。


「成功するには毎日夜中まで働かないとだめだ!」なんて言われると
「え〜、何かそれって違うんじゃ?別の方法もあるんじゃないの?」と
反発を感じてしまう私ですが、この本の考え方は腑に落ちます・・・。


捨てよう。本当は必要ないものを。
自分の中にしぶとく根を下ろしている「常識」という偏見を。
そして身軽になって、さらに成長しよう!そして楽しく快適に生きよう。




posted by nyoro at 23:00| Comment(0) | TrackBack(1) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「私の夫はマサイ戦士」 永松真紀

私の夫はマサイ戦士


いまや日本人は世界中のどこにもいるけれど、
マサイを夫に持っている人というのは稀有な存在だろう。

海外旅行や短期滞在で「この国は好き/嫌い」と判断してしまうのはたやすい。
しかし、大抵の場合はその国をちゃんと知った上で判断しているとは言えない。


プロ添乗員である彼女は何度もケニアに滞在し、マタトゥという乗り合いタクシーを
経営する中でケニアの裏社会をまざまざと経験したり、現地の男性との出会いと別れ、
それに伴って大変な思いを味わったり、という、決していいことばかりではない
経験の中で、それでも確かに自分はケニアが好きだと言う気持ちを持つようになる。


そしてマサイの成人式「エウノト」で出会った夫、ジャクソン。
結婚するまでも、普通の日本人カップルのように、デートを重ねて
愛を深めてきたわけではない。
ジャクソンいわく、「神が決めた。血がそうさせた」。そんな結婚。


ケニアを取り巻く環境が急速に変わっていく中、マサイだけが今までのまま
いられるわけではない。
しかし、伝統を守っていこうとしつつも新しいものを取り入れようとする
彼らにとって、永松氏は必要な存在になりつつある。


単なる個人の結びつきを超えた、それこそ「神が決めた」絆がそこに
あるのを感じられる。
彼女も、価値観や習慣の違いには戸惑い、悩んではいるが、確実に夫との
信頼をはぐくんでいる。その経過が見て取れる。


私自身、ワールド・ビジョン・ジャパンでケニアの女の子を支援しており、
ケニアに対する興味はそこそこあった。
しかし、この本を読んで、その興味はとても浅いものであることが分かった。
私の想像を越えた世界がそこにはあり、それはさらに興味をかきたてるもので
あることを、この一冊の本を通して知ることができた。
自分の知らない文化への新たな興味を喚起してくれたこの本に、
感謝せずにはいられない。


いつか、彼女の企画するスタディツアーに参加してみたいと思っている。
posted by nyoro at 22:14| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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