2007年07月23日

マタニティマークと想像力

最近、朝日新聞の声欄でマタニティマークに関する投稿を複数見ました。
電車内でマタニティマークをつけることについての投稿です。

投稿では、若い女性の無理解を嘆いていました。
(ケース1)
妊娠中の友人がマークをつけていたら、女子大生風二人組が
「あんなものをつけてまでアピールしたいのか」と笑っていた。
(ケース2)
マークをつけて席の前に立ったら、座っていた若い女性が
鼻で笑って眠りに入った。

どちらも、「自分が経験していないことに対する想像力の欠如」
問題だと感じます。

妊娠中の通勤を経験した私の感覚では、
「わざわざアピールしたいわけではない。でも危険だから、
自分と子どもを守るためにアピールする」という思いではないかと。

それを、逆にせせら笑うとは。

なんでそこで「辛いんだろうな、大変なんだろうな」と思えないの?
何年か後には、自分が世間の冷たさに愕然とすることになりますよ?


私自身の妊娠中は、マタニティマークは何かの雑誌の付録だかで初めて
お目見えした状態で、つけても分からないだろうなーと思ってあえて手に入れる
ことはしませんでした。
(今でも普及したとは言いがたいですが・・・)

でも、私はまだあまりお腹が目立たない頃からマタニティを着ていました。
昨今は妊婦が妊婦に見えないくらいおしゃれになって、マタニティらしくない
格好も珍しくないですが、私はあえておしゃれよりも、「記号」としての
妊婦スタイルを選んだのです。

だって、危険だから。

かなり体調も悪かったので、いつぶっ倒れるかひやひやし、
常にエチケット袋と乾燥梅干を持ち歩いていた当時。
朝早くの空いてる電車に乗るのも限度があるし、周りはみんな必死だから
妊婦だろうと構わず押してくるし。
(ちなみに一番怖かったのは、男性がよく持っているハードケースの角で
 押されることでした。
 目の前に背を向けて立っていた人がボストンバッグを背負おうとした時に
 直撃くらったこともありました。)


で、マタニティを着た結果どうだったか。
席を譲ってもらったことは1回だけでした。譲ってくれたのは30歳前後の
サラリーマンと思しき男性。おそらく奥さんが妊婦か、経験者なのかな〜と
考えました。

でも、席をゆずってもらえないにしても、7人がけのところに6人で座っていた
人たちが席を空けてくれたり、道をのろのろ歩いていると(速く歩けないので)
さりげなくよけてくれたりする人は結構いました。それだけでも助かったのは事実。

そういう意味でも、リスクヘッジとしてアピールは必要だと思います。
ましてや、お腹が大きくなる前の方が、妊婦さんとしてはよほど危ない状態なので。


それにしても。
今妊娠中として、マタニティマークが手に入ったらどうするかなあ?
正直迷うと思います。こんなこと言われるんじゃね。

一連の政治家の発言じゃないですが、一人ひとりが想像力をもっと持てれば、
と思います。そこから「思いやり」が生まれるのだと。
posted by nyoro at 18:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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