2007年08月15日

「となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術」 関根眞一 

となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ 244)

西武百貨店でお客様相談室長等をされていた経験からの、「クレーマー」
とのやりとりの経験談とその対応、教訓などがまとめられた本です。
事例が豊富で、かつ読みやすいです。

商売をしていれば、クレームはつきもの。
しかし、対応を誤ると会社の評判自体を落としたり、あるいはその筋の
人たちに知られて次々とカモにされてしまう可能性があるというのは
怖いものです。
頭を下げるだけでなく、相手が何を要求しているのかを察して駆け引きし、
時には顧客に向かって大声で怒鳴ることもする。
まさに真剣勝負です。

正直、「こんなクレームつけてくる人いるんだ〜」と、クレームの内容
自体にびっくりしたりもしました。
私自身は不満があってもそのままその店や会社から離れるだけなのですが、
クレームをつける人というのはエネルギーがあるんだなあと思います。

本当にその店なり会社をよくしようと思ってのクレームもあるんでしょうが
大半は単に欲求不満を解消するためなんじゃないかなという気もします。
そういう場合はたいてい匿名だというし。

格差社会の底辺にいる人から見ると、百貨店の店員はエリートに見えて、
そのこと自体が気に入らないということもあるのだ、という記述も。
自分の存在自体が気に入らないと言われてしまったら、どうしようも
ないですよねえ・・・。


もちろん、
「普通のクレームを挙げてきた顧客をクレーマー扱いしないように」
ということもきちんと釘を刺しています。
「クレームは宝の山」だとも。


商売に限らず、近隣関係や学校関係などでも、今や普通の人が
いつクレーマーになるか分からない時代でもあります。

一般人も、クレームに対する対応というものを学んでおかないと、
ささいなことがきっかけで誰かとトラブルにならないとも限らない。
この本は、その入門書として適していると思います。



posted by nyoro at 23:26| Comment(2) | TrackBack(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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