2007年12月03日

人財育成について考える(5) 〜組織と教育〜

ちょっと最近プライベートでバタバタしてまして、間が空いて
しまいました。

そんなところに、友人から教育と経営、組織の関係性について
考えを聞かせてくれという話があり、そこで書いたメールの返信を
こちらにも残しておこうかと思います。

前に書いたことと重複している部分もあるかと思いますが、
それはそれだけ強く思っていると言うことで。



教育は当然企業の戦略とリンクしているので、まず戦略がちゃんと
あってそのためにどういう人材がどれくらい必要なのか
、という点を
きちんと企業が認識しないと、だた漫然と研修をしてもだめなのだと
思います。

当社もそういう傾向がなきにしもあらずなんですが、まずそこで
つまづいている企業は結構あるのでは?という気がしています。


また、教育と言うのは数字では測れない部分が大きいなと思います。
利益については、それぞれ四半期、半期、通期などでいくら、と
目標を決めてそれに向かって・・・という形になると思いますが、
教育はもっとロングスパンで考えなくてはいけなくて、そういう
意味ではすぐに売り上げに反映させるというのは難しいのではないかと
思うし、売り上げが上がったのは研修のおかげだとも言い切れない
という部分があります。


そういう意味で、費用対効果を数字で測定するのは結構難しいかなと。
(ROIとか?何か計算方法があるのかもしれませんが、そこは不勉強で
分かりません。本来測定すべきものなのかもしれないし)


3年くらい経って振り返って、会社の風土が良くなってきたなとか、
社員のスキルが上がってきたなとか思えれば、それで成功と言うか。
もちろん、始めるときに「3年後にこうなっていたい」という青写真は
必要ですが。


もうひとつ、教育は「投資」であるという考え方を
企業がどのくらい納得して受け入れられるかです。

投資っていうものは、必ずリターンがあるとは限らないけれど、
将来のためにやっておかないといけないこと
だと思います。


さんざんお金をかけて教育したけどやめられてしまった、なんて話も
ざらにあるわけですが、だからやらないと言うわけには行かないのが
教育=投資なのだと。


当社の社長が言っていた言葉でなるほどと思ったのが、
「イチローですら10割打者ではない」
と言う言葉。だからムダになることを覚悟の上であれこれ手を打って
いかないといけない、という意味です。
会社としての施策にはこういった要素が多いと思いますが、まさに
これが教育にも当てはまるなあと言う気がします。


ただ、もうひとつ数字の面で考えておかないといけないのが、
研修を受けさせると言うことは、研修の費用がかかるだけではなく、
その時間にその社員が稼いでいるはずの利益がマイナスになる
ということです。

ですから、現場にとっては研修は「よけいなこと」と取られる場合も
多いです。
そこをいかに、現場に損をさせない形で担保してあげられるかは
会社の責任だと思います。
研修費用を現場持ちではなく人事で負担するとか、研修を受けた時間数
を評価に反映するとか、でしょうか。

「研修を受けること」が、社員にとってプラスに働くように持って
行かないと、なかなか研修を積極的に受けようと言う風土にはならない。
そんな風に思っています。
 
 
posted by nyoro at 23:56| Comment(4) | TrackBack(0) | キャリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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