成功裏に終わったと言えるでしょう。
今回の研修は、8割くらいが演習(個人演習+グループ討論+発表)で
残り2割が講義でした。
講義よりも演習が多いほうが研修としては効果があるし、受講生からも
好評であることが多いので、研修の構成としては良かったのだと
思っています。
しかし、アンケートを読む限り、若干の違和感を感じずにはいられま
せんでした。
というのは、「体験談をもっと聞きたかった」といった論調のものが
多かったからなんです。
(私からすれば、講師の方は講義の時間を削ってまで体験談を十分に
お話してくださいましたよ。それにも関わらず、ということです)
もちろん、経験豊富な講師や、全く違った業務をしている他の受講生と
議論することで、自分の視野が広がることは間違いないです。
それは否定しません。
ただ、講義の部分でもかなり重要な方法論やエッセンスが説明されて
いたのですが、そういった部分に対する興味と言うのがほとんど感じ
られないのです。
本来知っているべき知識を知ろう、という意思が感じられない。
それよりも、やたら人の経験談ばかりを聴きたがる。
そんな風に感じられました。
正直、経験談「だけ」を聴きたいなら、研修じゃなくてもいいんじゃ
ないの?と私は思ってしまうわけです。
そんなのは、周りにいる20年選手くらいの先輩や上司をつかまえて
話を聞けばいろいろ出てくるはずではないですか?
それが、まるで飢えた狼のように「体験談、体験談」と言っている
様子を見ると、ちょっと度を過ぎているようにも感じられて、
普段そういう機会ってなかなかないのかなあ?
「OJTの崩壊」とか「コミュニケーションの衰退」なんて言葉と
もしかしてつながってたりするのかなあ、と思ってしまったのです。
むろん、昨今の短納期・低コスト化などを受けて、現場の技術者たちに
対するプレッシャーは強くなる一方です。
しかも、こういったエンタープライズ系システムを扱う会社では、
類似事例はあっても全く同じケースはなく、「こうすれば絶対いける」
というものもない訳で、そこを救えるのは先達の体験談なのかも
しれませんけれど。
単に私が飛躍して考えすぎているだけならいいのですが。
机上の知識だけに囚われすぎることもなく、経験談だけに偏ることもなく、
バランスの取れた知識を持つ技術者になってもらいたいなあというのが
私の願うところですので。