2006年08月14日

働く女性が陥りがちな罠(その1)

私はWM(ワーキングマザー)ですが、普段はあまりそういう話について
書いたことがないな・・・ということに気づきました。
なので、ちょっとそんなことについても書いてみたいと思います。
偉そうなタイトルをつけていますが、これはあくまでも私が自分の経験から
感じたことですので、ご了承下さい。

私はITベンダーの技術職として働いていますので、どうしても周りには
男性が多いです。
そういう会社で、私はSEとしてプロジェクトに関わり、時にはリーダーとして
自分より年上の男性を何人も抱えて仕事をしていました。

20代の頃は、悩んだり迷ったりしつつも仕事が面白く、体力もあったので
超多忙プロジェクトで毎日タクシー帰りでも楽しいと思って仕事していました。
女性でも、男性と同じだけの働きをすれば認めてもらえる、というところが
たまらなく魅力でした。

しかし、30代になったころ、体を壊しました。
その頃の自分の働きぶりを考えれば、そりゃー当たり前だろ!と言いたくなる
ような状況でした。

体を壊したことをきっかけに、子供を作ろうか、という気になりました。
それまで私は子どもはいらないと思っていて、子どもが欲しい夫と何度も
衝突していました。
しかし、ここにきて仕事だけの人生は味気ない、そう思ったのです。
夫にそれを伝えたら、喜んでくれました。

しかし、その後判明したのは、私が不妊症であるという事実でした。

考えてもみませんでした。
私は、子どもというのはその気になれば作れるものだと、何の根拠もなく
思っていました。
不妊症というのも知ってはいましたが、それと自分を結びつけて考えたことは
ありませんでした。
仕事に支障が出ないよう、保育園に入園させやすいよう、と計画出産まで
考えていました。それがすべてチャラになりました。

その後、治療をして、幸い子どもを授かりました。
幸い、それほど高度な治療を必要とせず、娘は私のところに来てくれました。
しかし妊娠中はずっと体調が悪く、最後には切迫早産で寝たきりになり、
会社の上司や同僚には迷惑をかけまくりで社会人失格状態。
本当に辛い日々でしたが、胎動を感じるたび、診察で子どもの成長が分かるたび、
子どもと一緒にがんばろう、と思って耐えてきました。

生まれてきた子を見て、「私たちのところに来てくれて、本当にありがとう」
と思いました。
「この子のためなら死んでもいい」とさえ、思っています。
なんで、こんな可愛いものを私は要らないと思っていたのか・・・。

子どもって本当にすごいです。自分で自分の髪の毛をつかんで離せなくなって
泣いていた赤ん坊が、今や自分の名前も書けるようになっている。
こんなにすごいスピードで日々成長する存在はいない。
仕事だけを見ている人生は本当につまらない、と思えるくらい、
かつての私を知る友人が驚くくらい、私の世界は変わりました。

私の周りにもWMは多いですが、同じような体験をされている方も多いです。
仕事に夢中で20代は過ぎ、30代になって仕事上である程度の成果を出したり
役職についたりして、さて今度は子ども、と思った時にはもう妊娠できない
体になっていた。そんな人は珍しくもありません。
受診した病院で「もう少し早く来れば」と言われた人もいます。
6年間も不妊治療に努力され、やっと出産された30代後半の方もいます。

妊娠というのは、いつでも同じ条件でできるわけではありません。
卵子も老化するので、歳とともに自然妊娠できる確率は減っていくのです。
体外受精の確率が下がってくるのは33歳だそうです。
30代も後半になると、妊娠できる確率は20代の半分にまで下がるそうです。
ジャガー横田さんみたいな方がいらっしゃると、自分でも大丈夫な気が
してくるものですが、たまたま彼女があの年齢で妊娠できただけのことです。

仕事は後から取り返すこともできますが、年齢という自然の摂理に逆らうことは
どんなに医学が進歩しても難しいことです。
30代の働く女性は、仕事も責任ある立場になり、なかなか思い切れない人も
多いと思いますが、産めなくなってから後悔することのないように
こういったことは頭に入れておいた方がいいと思います。
月に1回しかチャンスはないのですから、うまく行かないとすぐに1年2年は
経ってしまいます。

今私は2人目が欲しくてチャレンジをしていますが、正直できるかどうかは
分かりません。
前回と同様のプロセスを踏むところから始めていますが、もしダメだったら
いつ、どこで諦めるのか。その線引きも難しいところです。
posted by nyoro at 23:07| Comment(5) | TrackBack(0) | ワーキングマザー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大変ですね・・・

二人目絶対がんばってくださいね(>_<)
Posted by KYAN at 2006年08月14日 23:45
私はnyoroさんと逆で、「子供は不要」というオットを何とか説得できたのが結婚6年目くらい。
既に自分は30歳になっていました。

そこから不妊治療をスタートしましたが、結局、授からないので子供のために貯金したお金で会社作っちゃいました。

今でも「子供欲しいな」と思うことはありますが「まあこの人生も悪くないか」と考えるようにしてます。

二人目も無事授かるといいですね(^^)
Posted by かぼこ♪ at 2006年08月15日 12:00
KYANさん

コメントありがとうございます。
まあ、大変と言えなくもないですが、
なるようになるさ〜と考えてます。

かぼこ♪さん

コメントありがとうございます。
人生どれが正解ってないですものね。
私も体壊すことがなかったら、未だにDINKSで
仕事中毒だったかもしれないですし。

最終的にいい人生だった!って思えればいいかと。

Posted by nyoro at 2006年08月15日 22:55
私も「まだいいや、もう少し先で」と先延ばししていたのですが、いざ作ろうと思ったらできず・・・

それから、あっという間に2年近く経ってしまいました。
しばらくは病院に通って、排卵誘発剤飲んだりしていたのですが、年初に一度人工授精してダメだった後は一旦西洋医学の治療はストップしてます。

数回人工授精してダメだったら、体外受精、と進んでいくのになんとなく抵抗を感じたので。

ここが悪いということがはっきりしているわけでもないので、鍼灸治療しながら体調整えてます。
仕事のストレスも影響してたんだろうなぁ、と最近つくづく思います。

お互い希望を捨てずに、がんばりましょうね〜。
Posted by rey at 2006年08月15日 23:42
reyさん

そうだったんですか。
抵抗を感じる、というのはすごく分かりますよ。
仕事のストレスも絶対関係あるって思いますしね。
私も、治療は漢方メインです。
前回より条件悪くなってる分不安ですが、
お互い無理のないよう、がんばりましょうね!
Posted by nyoro at 2006年08月16日 23:53
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