しかし、私が夏に睡眠不足気味になるのは今に始まったことではない。
ふと思い出したのは、新婚旅行で行ったアラスカの話。
アラスカは高緯度なので、夏は極端に日が長く、冬は短い。
北米最北端の町バローにもなると、夏は陽が沈まず、冬は全く陽が
出なくなる期間があるのだ。
余談だが、アラスカに行ったのは新田次郎の「アラスカ物語」を読んで
感動したのがきっかけで、その舞台となったこのバローと言う町を
この目で見てみたい、と思ったのだった(私は小説や漫画、映画などに
感動すると、そのゆかりの地を訪れることが趣味であり、時には目標になる。
この酔狂な新婚旅行を面白がってつきあってくれた夫に感謝)。
真冬に行ったので滞在している二十数時間の間はまったく太陽光を
見ることができず、いかに自然光と言うものが生物にとって必要なもので
あるかを、理屈でなく体で思い知ることになった。
(さらに余談。「アラスカ物語」では主人公が氷の上を歩いたはずの
12月の北極海は凍っておらず、湯気をもうもうと上げて水をたたえていた。
こんなところでも温暖化を肌で感じることになった)
現地のツアーガイドさんによれば、
「日が長い夏は、あまり眠る気になれず、遅い時間まで活動的になる。
反対に冬は、眠くて眠くてあまり動く気になれず、睡眠時間も長くなる」とのこと。
熊の冬眠ほど極端ではないにしろ、人間にも太陽の光と連動した体内リズム、
というものがあるのだろう(この分野はまったくの素人なので、感覚だけで
書いているのでご了承いただきたい)。
かくいう私も、最近のような熱帯夜になる前から、夏のほうが睡眠時間が
短くなる傾向があった。
寝苦しくて寝られない、というのとはまた違う。
眠るのに支障が出るほど陽の長さが違うわけでもないし、特別出歩く日が
増えるとかいうわけでもないのだが。
ここしばらくも、どんなに遅く寝ても5時前後に目が覚める。
何でなんだろう?と考えていた時に、前述のツアーガイドさんの言葉を思い出し、
自然と連動した生体としての本能なんだろうかなあ、と思い至った。
いくら都会の生活が便利になったといっても、生物としてのリズムを大事にしないと、
やはり生体としてどこかおかしくなってしまうのではないか。
なので、体の声は素直に聞くことも健康のためには大事だと思う。
そんなわけで、夏の間はろくろく眠れそうにない。
反対に、冬はいくら寝てももう眠くて眠くて、なかなか布団から出られない・・・
(あ、これって起きられない言い訳?)
【関連する記事】