昨夜、出かけた先から帰るときのこと。
道を歩いている時、道端の植え込みの横で年配の男性が
横になっているのに気がついた。
「ホームレスかなあ。」と思いながら、急いでいたこともあり、
横目で見つつ通り過ぎて電車に乗った。
しかし、後になればなるほど、違和感が強くなっていった。
あの人は、具合が悪くて倒れていたのではないだろうか?
ホームレスにしては、服装がきちんとしていたような気がする。
寝ているにしては、うつ伏せになっていて体が痙攣していたようにも
思える。
一瞬のことなので、「気のせい」と言ってしまえば終わるけれど
案外こういう直感って、正しい時があるのではないかと思うのだ。
その場で足を止めて様子を見ればよかったのではないか。
救急車を呼ぶべきだったのかもしれない。
私がそうしなかったことで、悪い結果になってしまったのではないか。
現場は夜の商店街、人通りは多くはないが、電車が来れば
帰宅中の人は通る。
誰か気づいて声をかけてくれただろうか。無事だっただろうか。
こういう時に咄嗟に動くというのは案外難しいものだと感じた。
分かりやすい事故などではないから、尚更だ。
私の父は心臓を患っており、いつ道端で倒れないとも限らない。
その時、居合わせた人に助けてもらえるだろうか?
今回の私のように、「あれ?」と思いながらも通り過ぎてしまう
人もいるだろう。
決して悪気がなくても、急いでいたり、どうすればいいか
分からなかったり、あるいはもしかすると心の中に
「面倒なことに巻き込まれるのはごめんだ」という思いが沸いて、
助けたほうがいいと思うのにその気持ちに蓋をしてしまうことも
あるかもしれない。
(私にも、そういう気持ちが全くなかったと言ったら嘘になる)
人を助けられない人間は、人にも助けてもらえないものだ。
私は、バチが当たるんじゃないだろうか。
これ自体身勝手な思いだと思うが、そんな思いが頭から離れないのも
事実なのである。
路上で死にそうになっている人たちのための家を作り、介護し続けた
マザー・テレサの偉大さが分かる。
自分がまだまだ矮小な人間だと言うことも実感し、猛省した。
今となっては確認しようがないことだが、あの人が無事でありますように。
そして、次に同じようなシチュエーションに遭遇したときには
ためらわず声をかけることができるように心がけたい。
【関連する記事】