最近の学生や20代くらいの人は、「キャリアプランニング」について
就職活動の時などに指導を受けていることが当たり前になってきているようです。
私の頃は、せいぜい「自己分析しましょう」くらいで、適性検査の類も大学では実施されず、
受験した会社によっては実施するところもある、と言う程度でした。
(中谷彰宏氏「面接の達人」を一所懸命読んで面接に臨んだものです)
なので、今の人達がうらやましいなあ、私の頃にもそんなのがあったらなあ、
と思う反面、ろくに仕事の経験もないうちから、どういう仕事が合っているかとか
何を目指すかとか、決めないといけないってのは厳しいよなあ、と思っていました。
まして、キャリアなんて全て計算ずくで積めるものでもないし。
なので、この本を読んでとても衝撃を受け、「これだ!」と思いました。
この本のベースになっているのは、アメリカ・スタンフォード大学クランボルツ教授の
「Planned Happenstance 理論」です。一言で言えば、「計画された偶然性」。
1.職業生活は「たまたま」や「偶然」の出来事や出会いによって決まる
ことが多い
2.ただし、その「たまたま」や「偶然」は、本人がそれとは気づかずに
それまで行なってきたことによって生じている
というものなんですね。
「偶然を計画するのに必要なこと」も書いてありますが、長くなりますので割愛します。
興味のある方は、この本を読むなり、ネットで検索するなりしてくださいませ。
この本では、この理論に基づいて男女10人のキャリアを分析しています。
iモードで有名な松永真理さんや、以前、講演を聴いて「素敵な女性だなあ」と思った、
NECラーニングの内海房子社長も掲載されていて、その軌跡には驚かされつつ、
その時代に生まれたこと、興味や家庭環境や制約、 そういったものがどうキャリアに
影響していったのかが分かって面白いです。
ちなみに私の今までの社会人生活を考えて見ると・・・
・就職活動
入社した会社は、大量に資料請求した中の一社であり、特に希望していた
わけではなかった。
会社説明会の席で、人事の方と意気投合してしまい一気にクローズアップ、
とんとん拍子に(?)合格し、入社。
・異動
1.最初の部署は、「家から近いから」と言う理由で配属された事業所で、2年ほど勤務。
2.事業所統合で近くになった部署の庶務さんと仲良くなり、しょっちゅう出入りしていたら
そこの部長とも仲良くなり、ご指名を受けて異動。8年ほど勤務し、産休に入る。
3.復職時、たまたま期間限定の手伝いを募集していた部署があり、そこに行く事に。
がむしゃらにがんばっていたら、そこの部長に気に入っていただき、
残留を希望されて現在に至る。
私は転職はしたことがないですが、こうやって並べて見ると、結構自分で考えずに
やってきたことが、 偶然の人との出会い、その後の進路を決めており、
結果的に自分としてはいい方向に行っているし、
これは自分の天職?と思える意外な能力を見つけたりもしています。
まさに「Planned Happenstance理論」を体現しているかも!?
私でなくても、誰でもある程度「偶然」によってキャリアが決まっている部分って、
あるのではないでしょうか。
ちょうど、今通っている連続セミナーで「偶然を偶然とみなすな」ということを学んだので、
その考え方ともつながっているように感じます。
ネットで検索すればうじゃうじゃ出てきますし、他にも本は色々あると分かりました。
私はこの考え方に大変興味を持ったので、これからあれこれ読み漁ってみようと思ってます。
キャリアのゴールを決めてそこに向かって今何をすべきかを決める、という
キャリアプランニングの方法は 「キャリア・アンカー理論」というそうですが、
「決めなきゃ!でも決まらない、どうしたらいいのか分からない」いう気持ちに
がんじがらめになってしまい、決まらないことに辛さや焦りを感じているような人は、
この本を読んでみると安心できるかもしれません。