のですが、その結果が公表されました。
その中に初めて知る概念があったので、書いておきたいと思います。
それは、「心理的契約(psychological contract)」という言葉。
調べてみたところ、組織と個人の関係における概念で、この両者の
関係は単なる雇用契約などの内容以上に、心理的に契約している
状態(=約束や期待をしている状態)にあるというものだそうで、
これが組織と個人の関係では重要な要素となっているのです。
1.契約としては相当複雑な条件付き契約になるため
2.契約されている間のすべての条件を羅列するとそうとう分厚いものに
なるため、個人の情報処理能力の限界を越える
3.時間とともに環境は変化し、何が起こるかわからない
という特徴から、すべての条件を文書化して法律的に契約することは
ほぼ不可能に近いことであり、「相手を信用する」といった心理的な
関係のもと、雇用関係や、所属関係が継続されていくことになるとの
こと。
例えば会社側は、「こんなに良くしてやっているのだから、この人は
この会社を辞めたりはしないだろう」と社員に期待し、
社員は、「長年尽くしてきたのだから、そうそう簡単にリストラしたり
しないだろう」と会社に期待している。
どちらも保証なんかないし、もちろん入社時の契約でここまで交わして
いるわけではない。
だけど、相手に対して暗黙の(あるいは明瞭な場合もあるかも?)期待
をしている。こんな感じでしょうか。
しかし、昨今の成果主義導入やリストラにより、こういった心理的契約
は破られることが珍しくないわけで、会社に裏切られた気がするのも
こんな時。
会社から見ても、手塩にかけて育てた期待のホープが、育ったと思った
ところであっさり退職してしまったりすると、金銭的損失も大きいし、
上司や先輩社員からすればたまったものではないわけですよね。
心理的契約は法律的な契約ではないため、こじれないためには
双方が心理的契約をしているという自覚と倫理観を持ち、それを守ろう
とし、破った場合には社会的に制裁を受けることもありうる、という
点を認識している必要があります。
確かに、私と会社の関係にも心理的契約は存在すると思われます。
(どこまで会社を信頼しているかと聞かれると、微妙なところは
ありますが^^;)
このテーマは、人事制度や成果主義などと絡めた研究論文なんかも結構
あるみたいですね。
興味のあるテーマなので、また調べてみたいと思います。