最近、部内で人事系の本があれこれと回覧されており、
私も次々と読んでいます。
人事系の部門に来たとはいえ、ほとんど教育関連なので、
人事全般についてもざっくりと知るところから・・・ということで。
この本を読んでみると、当社の人事にも当てはまることが
ざくざく出てきますが(苦笑)、人事ではない一社員として
自分だったらこうだなとか、人事がこういうことしたら嫌だよね、
とかそういうことを考えてみれば至極全うだと思われる
ことばかり。
人事が考えるべきこととその考え方の基礎的なところが
押さえてあり、人事用語のイロハも学べました。
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以下は自分用の覚書です。
結構長いので、読みたい方だけどうぞ。
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・人事とは、オリジナリティに溢れ、斬新で、奇抜で、
社員たちがワクワクするエンターテインメント
・人事の目的・目標は
「会社の業績を上げるために、社員一人ひとりの能力を最大限に
向上・発揮させる」こと
能力を引き上げる施策があることが、社員にとっての公平な人事
それを実現するために等級、評価、賃金体系がある
それをまとめたものが人事制度
・人事の根本にあるのは「社員を評価する」こと
だから人事を考える上で大切なのは評価の方法
評価とは、人を育てていくうえでの中間集計、振り返りのプロセス
・会社は当然成果主義でなければならない
成果がなければ持続できないのが会社という存在
・成果主義において重要なのは、個人プレーに対する成果主義と
チームプレーに対する成果主義をきちんと区別すること
・高いレベルの成果に挑戦して高い目標を設定する。
たとえ目標には届かなかったとしても、そのことが高く評価される。
それが正しい人事
・人の評価には、成果を見ての評価(業績評価)と、
今後の活躍を見通して行う評価(アセスメント)の二つがある
後者の場合、将来性を第一義に見なければならない
この区別ができていないと、本当の意味で頑張っている人
(成果を出せる人)が評価されない会社になり、社員がやる気を失う
・MBOのobjectivesは、欧州では「勝ち方」「作戦」という意味
つまりMBOとは「戦って勝つための具体案を、自己管理で達成する」
という意味
・コンピテンシーは本人の意欲の発露を抑える恐れがある
「ハイパフォーマーの真似をすればマシになるかもよ」
といわれているようなもの
・職務基準書(職種別に等級を設定し、必要とされるビジネススキルを
書き出したもの)は社員を駄目にする定番
⇒設定項目が内向きで、枠にとらわれやすい・・・
本来は枠を飛び出すような仕事をやってもらうべき
⇒マニュアル本の真似をしてその通りに作成している横並び意識
・習熟度認定
2等級でBを3年取れば3等級に昇格でき、しかもすぐにB評価がつく
つまり、仕事の成果でなく、年齢や人物を評価している
・360度評価は本来「調査」
Aさんが出した指令がちゃんと狙い通り伝わっているかを調査するもの
日本での評価としての使い方は間違っている
・日本の会社の出世コース
管理職としてマネジメント、役員へ
技術のスペシャリストから役員へ
管理職から営業のプロへ
かつては必ず管理職を経験していたが、管理職を経ずにスペシャリストに
なるシステムが作られている
一般社員が多面評価によってリーダーを批判することさえ教えられている
これは、リーダーシップをもつ人が減少していくことをさす
⇒一度は全員が管理職を目指すべき
マネジメントの難しさを知ることが必要
それにより管理職への協力体制ができる
・「公平」ではなく「公正」な評価をしていないから、社員から不満が出る
公平性は人事が失敗する大きな要因のひとつ
・公平な評価の考え方はふたつある
1. 全社員に共通の基準を設定し、すべてその基準に沿って評価する
2. 画一的な基準を設けるのではなく、個々の社員の事業への
貢献度合いを社員一人ひとりによって異なる立場や事情を
考慮して評価する
正しいのは後者
・社内ではなく、同業他社の基準と当社の基準を比較するところから
スタートすべき
・自分を評価する相手は社内ではなくお客様
だから会社は「多くのお客様から高い評価を得るために」というところへ
社員を先導する
・期末効果
以前より直近の成果を重く見てしまう これはやってはいけない!
ここから能力特性をよみとるべし
・人事制度は安定していてはいけない。1年に1回変更してもよいくらい
全社共通の人事制度である必要はない
それぞれの強みを生かせる道を考える
・モチベーションは年齢に関わらず100%自己責任であり、
自分自身でひきあげるもの
・会社という営利を追求する組織で働くかぎり、ビジネスマンは利益に
つながるよう努力の仕方が的確でなければならないし、
人に成功を教えられるようでなくてはならない
・社員は被害者ではなく、主体性を持った存在でなければならない
「主体性のある社員」とは、「社長や上司に決めさせない社員」
・有能な管理職には三つのセンスが必要
1. 経営センスを身に着けるのがうまい管理職
2. 部下をひきつける、実行に駆り立てるのがうまいこと
3. 部下を事業成果に執着させるのがうまいこと
・シニオリティ
リストラは若い人や社歴の短い人から行っていき、年長者や
社歴の長い人ほど大切にする方法。アメリカではこれが主流
・人事改革は、「どのように成功していきたいのか」
最初に事業の成功要因と失敗要因を具体化して研究・分析する
ことからスタートする必要がある。人事制度は後回しでよい
・労働分配率(%) = 人件費/付加価値 × 100
会社全体で生み出した付加価値の中から、人件費として社員に
どれだけ分配しているかを表した割合
この数値が高いほど、会社の人件費負担が重い
・人件費生産性(園) = 付加価値/人件費 × 1万円
人件費1万円あたりの稼ぎ高
・定期昇給
年次に応じて昇給することで、10年後には10年先輩と同額になる・・・を
繰り返すこと 新人が入り、定年退職者が出るので社員の平均年齢が
変わらない限り人件費の総額は増大しない(人件費の内転)
人件費の内転を成功させるには、ベースアップをせず、採用と退職管理を
しっかりと行い、社員数と平均年齢を維持、または低くすること
ただしライバル会社よりも高い年収になるようにする
・ベースアップ(ベア)
月例給与水準そのものを引き上げること
会社の人件費負担を確実に増大させてしまう
・企業は会社間において先制攻撃を行わなければならない組織
会社においては強い精神力と、結束力を強めるための教育が最重要
強い人材を作り、強い管理職をつくり、強い組織を作っていかなければならない
・2-6-2の法則においては、ミドルパフォーマーを活性化することに
力をそそがなくてはならない
ミドル⇒ハイに上がる者も出てくるし、ハイパフォーマーが負けじとがんばるため